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頭ではなく性格だ ~ドラッカーに学ぶ「時間マネジメントの極意」~

最近、“もしドラ※1”が大ブームだそうで、即席ドラッカーファンが大繁殖して、マネジメントを成功させる秘訣は「顧客は誰か※2」からスタートし、顧客の目標を目指すのだとあちこちで叫んで、早速仕事に取り入れようとしているようです。

これはこれで良いことではあるのですけれど、ちょっと立ち止まって考えてみると、今までだって、CS(Customer Satisfaction)といって顧客満足の活動とかやっていませんでしたか?CS、CSと言いながら、「顧客は誰か」を考えもしなかったとかいうことは無いですよね。

実はこの辺りの領域って、判ってはいるけど(仕事が忙しくて)手が出ないところなのではないですか?“もしドラ”では、時間がたっぷり使える高校野球の女子マネージャーさんだったから出来たけど、自身の会社、仕事場で実践できますか?どーでも良い会議にも出席しないといかんし、他にやることいっぱいあるでしょう。

とは言いながら、自分の周辺を振り返ってみると、忙しい人はいつでも忙しいと言っている反面、仕事のできる人間の中に、妙に暇そうな人がいたりしませんか?できる人には仕事も集中するはずなのに、何故か余裕のある人って時々見かけますよね。



ドラッカーさんは、こんなことも言っています。「時間をマネジメントできない者は、他のなにものもマネジメントできない。」「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとらわれているかを明らかにすることからスタートする。※3」そうです、「顧客は誰か」を考える前に、まずは自分の時間をマネジメントするところからスタートしなさいと言っているのです。

「ドラッカーの時間管理※4」は、
1).時間を記録する
2).時間を管理する
3).時間をひとまとめにする
の3ステップで行います。まず現在の時間の使い方の記録から始まります。人間の記憶なんていい加減なものですから、自分では一日のうち何時間をこの仕事に使っていると思っていても、実際に記録してみると全然違うことに時間を割いていたりすることが判ったりします。次に記録した時間を分類整理して、やらなくても困らない仕事を洗い出します。そしてそれらを切り捨てて、残った時間をまとめます。

不要と思える時間を切り捨ててもまだまだ仕事はいっぱいあるはずです。次は残った仕事の優先順位付けです。これには、「優先順位決定の法則※5」を使います。
1).過去ではなく未来を選べ
2).問題ではなく機会に焦点を合わせよ
3).横並びではなく独自に方向を決めよ
4).無難で容易なものではなく変革をもたらすものに照準を合わせよ
という4つの考え方で優先順位を決めて、優先度の高い仕事に専念していくということを推奨しています。

ドラッカーさん以外にも時間管理に関する手法はいくつも出回っています。みなさんも自分の個性に合った手法をみつけて実践するとよいでしょう。



司馬遼太郎の「坂の上の雲」、NHKの年末ドラマでもおなじみですが、この原作本の中で、主人公の秋山真之が「人間の頭に上下などはない。要点をつかむという能力と、不要不急のものは切り捨てるという大胆さだけが問題だ。従って物事が出来る、出来ぬというのは頭ではなく、性格だ※6」と言っていたりしています。賢い人は似たようなことを考えるものなのですね。
(担当:M)

  • ※1
    「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
    岩崎 夏海 (著) ダイヤモンド社 2009年
  • ※1
    「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」から引用
  • ※3
    「プロフェッショナルの原点」から引用
    P.F.ドラッカー,ジョゼフ・A・マチャレロ(著),上田惇生(翻訳) ダイヤモンド社 2008年
  • ※4
    「ドラッカー名著集1 経営者の条件」から引用
    P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(翻訳) ダイヤモンド社 2006年
  • ※5
    「仕事の哲学」から引用
    P・F・ドラッカー(著) 上田惇生(翻訳) ダイヤモンド社 2003年
  • ※6
    坂の上の雲」から引用
    司馬 遼太郎(著) 文春文庫 1978年