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NEC通信システム 健康白書 2025年度版

Ⅰ. 健康経営の推進 

1. トップメッセージ

代表取締役 執行役員社長 火物 丈裕

健康経営への挑戦:社員の元気を力に、持続可能な成長へ

 当社は「元気を基盤に成長と進化を強い意志と実行力で成し遂げる」ことを経営方針の核としています。そして、活力ある職場づくりの源は「健康」にあるとし、全社をあげて「全員が健康を大切に考える風土の醸成」に取り組んでいます。

 健康推進活動を経営の重要課題の一つと捉え、会社全体でイキイキとした働きやすさと風通しの良い職場環境を実現するための継続的な努力をする一方、一人ひとりが元気に活躍できる環境づくりに注力しています。こうした取り組みにより、従業員の心身の健康、仕事への意欲向上や生産性向上を実現し、ひいては組織全体の成長と企業価値の持続的拡大へと結びつけていくことを目指しています。

進捗と成果:健康意識の飛躍的向上

 近年、当社の健康推進活動はさらなる強化を図っており、その成果は具体的なデータとして明確に表れています。例えば、がん検診の受診率は2021年度の約36%から2023年度および2024年度には約80%へと大幅に上昇し、社員の健康意識の浸透が着実に進んでいることを実感しています。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2019年度から2020年度にかけ健康診断における肥満率や脂質異常を含む健康リスク率が大幅に悪化(2019年度60.3⇒2020年度66.9%)しましたが、その後は着実に改善傾向を示し、2023年度からは同リスク率が2019年度の水準を下回るようになりました(2023年度60.2)。さらに2024年度にはさらなる改善が進み(2024年度59.5%)、 社員の健康状態の向上が確認できています。

 加えて、心の健康状態を示すストレスチェックでは、高ストレス率が2019年度の13.8%から2024年度には9.9%へと大幅に低下し、良好な改善傾向が見られます。また、従業員の職場満足度や意欲を示すエンゲージメントスコアも毎年確実に上昇しており、健康推進活動が着実に成果を上げていることがお分かりいただけると思います。

課題と今後の挑戦

 しかしながら、2024年度に実施した全社員対象の健康アンケートの結果を分析すると、依然として課題が浮き彫りになっています。具体的には「この1年以内に運動習慣がついた」と回答した社員が19%いたものの、まだ37%の社員が「運動習慣の改善の必要性は理解していても行動に移せていない」と答えています。

 さらに、健康診断後のフォロー面においても、特定保健指導対象者の対応率が十分に到達していないなど改善の余地が残っています。これらの状況を踏まえ、当社はさらなる健康推進活動の強化が必要と判断しています。

2025年度の重点テーマと取り組み

 2025年度は「セルフケア」を重点テーマとし、社員のニーズに合わせた新たなプログラムを導入しています。具体的には、日常生活の小さな不調(肩こり・腰痛など)を専門職(セラピスト)に相談できるプログラムや、VDTVisual Display Terminal)作業による目の疲労改善を目的としたオンラインセミナーと検診、さらに1ヶ月間の「オーラルケアチャレンジ」などを展開しています。

 これらのプログラムは、社員が自由に選択できる仕組みとすることで選択肢を拡げ、加えて、健康への関心が低い、または時間確保が難しい社員を含めた健康意識改善の取り組みとして、「健康/生活習慣目標設定」と「継続的なフォロー」を全員参加型の活動として開始しました。

 社内における健康意識の向上をさらに推進するため、毎月7日を「Drive for healthの日」と定め、健康目標の進捗紹介や健康関連ニュースの配信を行っています。このように、前年度の健康データや推進活動の成果・課題を定期的に分析・評価し、プログラムの改善を重ねながら、全社員のさらなる健康実現を目指しています。

社会への約束

 元気があれば何でもできるという信念のもと、当社は従業員のワークライフバランスを重視する健康活動を永続的に推進していきます。社員が仕事においても私生活においても生き生きと活躍できる環境を整えることで、組織の成長と企業価値の向上を実現し、持続可能で豊かな社会をデジタルの力で実現する会社を目指します。

<健康白書2025発行に当たって>

 健康推進活動は、当社社員だけにとどまらず、取引先や地域の皆さまを含むすべてのステークホルダー、さらには社会全体の健康向上につながるべきであると考え、この白書を作成しております。4回目の発行となりますが、今回も皆様の健康推進活動の参考となるよう、当社の課題や取り組み状況について、健康推進プログラムを提供いただいている各社様にもご協力いただき、ご紹介しております。

 この白書が皆様の活動の一助となり、社会全体の健康向上に少しでもお役に立てば幸いです。

2. NECグループ健康宣言

NECグループでは2019年度に「NECグループ健康宣言」を制定しました。健康宣言には、単に病気にならなければよいということではなく、よりよいコンディション(健康状態)を目指して行動し、一人ひとりが心身ともにいきいきと働くことで自己実現を果たし、ひいてはNECグループの社会価値創造につなげたいという思いが込められています。

その実現に向けて、健康スローガン「Better Condition, Better Life」を掲げ、3つの取り組み方針「Literacy」「Practice」「Technology」に基づいた健康に対する意識改革・行動変容・定着支援のためのさまざまな健康推進活動を実施しています。

NECグループ健康宣言

Better Condition, Better Life
~一人ひとりのより良い人生、豊かな社会へ~

社員とその家族一人ひとりが、
自ら心身のコンディションを整え健康を大切にする文化、
夢に向かってワクワクとした気持ちで働く環境・状態を創造します。
すべての社員の健康や活力を原動力として、豊かな社会の実現に貢献します。

3. 健康経営優良法人2025(大規模法人部門(ホワイト500))認定

NECグループ健康宣言」の下、NECグループ共通施策および当社独自の取り組みを強化推進してきた結果、2020年、2021年、2023年の健康経営優良法人(大規模法人部門)、2022年、2024年、2025年の健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500))に認定されました。

推進体制

4. 推進体制

推進体制

5. 健康経営全体フロー

健康経営の全体フロー

各種数値の推移および2030年度目標

数値繊維
  • ①2024年度 100% -【直近4週間以内の仕事の出来の平均】(測定人数2,316名、回答率99.6%)
    2023年度 社員へのアンケート実施後のデータ入手手続き不備のためデータ無し
    2022年度、2021年度 NECグループのパルスサーベイで、直近1か月の仕事の生産性に関する自己認識による割合を利用
    (あなたの直近1か月の仕事の状況について)、「生産性高く仕事ができているか」を問う設問で
    「そう思わない」、「まったくそう思わない」と回答した割合

  • ② メンタル起因で、1か月以上の休職となった社員の割合

  • ③ NECグループで実施している従業員意識調査において、エンゲージメントスコアに関する質問の回答の平均スコアが4.5以上(1から6点中)である社員の割合を集計(2024年度:測定人数2,408名、回答率90.2%)

Ⅱ. 当社社員の現状

1. ストレスチェックの状況

対象受検者
ストレスチェック受検率

 ストレスチェックは、自身のストレスへの気づきと職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調を未然に防止するものとして、受検の促進を図っています。

 心の健康の指標としている高ストレス率は2019年度の13.8%から2024年度の9.9%に下がりました。

2. 生活習慣病関連有リスク者推移

生活習慣病関連 有リスク率推移

 コロナ禍によるワークスタイルの変化が健康へ影響を与えたため、2020年度には健診データが大幅に悪化する事態となりました。特に肥満や脂質異常症の指標が顕著に悪化し、健康状態の悪化が目立ちました。しかし、継続的な健康推進活動の効果が現れ始めたことで、データは徐々に改善傾向を示しました。

 その結果、2023年度には2019年度比でスコアが逆転し、さらに2024年度にはさらなる改善が見られました。同様の傾向は全体的な有リスク率にも表れており、2023年度に2019年度水準を下回った後、2024年度にも改善が続いています。

肥満:BMI 25以上
脂質異常:中性脂肪150以上or善玉コレステロール40未満or悪玉コレステロール140以上
血圧異常:収縮期血圧 ≧ 140 or 拡張期血圧 ≧ 90
血糖値異常:空腹時血糖 ≧ 110

3. 非喫煙率の推移

非喫煙率の推移

 タバコを吸わない人が少しずつ増加しています。

 2023年度からは就業時間中全面禁煙とし、当社独自にオンライン卒煙プログラムを導入いたしました。また、毎月22日を禁煙の日(スワンスワンデー)と定め、定期的に卒煙プログラムへの参加勧誘と禁煙への意識啓発を行っています。

4. 朝食摂取率の推進

朝食摂取率の推移

 朝食の摂取は、体内時計の調整や体調管理、メンタルヘルス維持に重要な役割を果たす重要な習慣です。しかし、当社では35歳未満の若年層の朝食摂取率が低く、これが課題となっています。

 2022年度からは、職場で朝食摂取の重要性と現状の課題を共有する機会を設ける取り組みを開始しました。その結果、35歳以上の中高年層では朝食摂取率が向上しました。一方、若年層については2022年度に一時改善が見られたものの、その後は再び低下傾向にあります。

 この状況を改善するため、2025年度上期の「イキイキ健康MTG」では、産業医による朝食摂取の重要性に関する講話を聞いた後、参加メンバー同士で意見交換を行って貰いました。今後もいろいろな機会を活用して働きかけを行っていきます。

  • *

    朝食摂取率:週に5日以上朝食を摂っている人の割合

5. 早歩き自認率の推移

早歩き自認率の推移

 2020年度男女共大幅に下がった後、全体ではほぼ横ばいでしたが、2024年度は男女とも改善し2023年度より1.7%増加しました。

 2023年度からは、希望者に対してフィットネストラッカーのFitbitを配付し、その使用方法や心拍数を高めることの重要性、心拍数を効果的に高める方法などについて学ぶ健康セミナーを実施しています。今後も継続してその重要性の理解を図り、行動につながるように取り組んで参ります。

6. 睡眠満足度の推移

睡眠満足度の推移

 リモートワークの普及により、2020年度には社員の睡眠満足度が大きく向上しました。しかし、その後は徐々に満足度が低下し、2024年度の健康アンケートでは44%の社員が「睡眠に気を付けなければならないと思っているが、実際の行動にはつながっていない」と回答しています。

 この課題を受けて、2023年度からは睡眠状態を把握できるFitbitを希望者へ配付し、オンライン睡眠セミナーを開始しました。さらに2024年度は、積極的に休息することの重要性を実技付きで学べるセミナーや睡眠チェックプログラムを実施、2025年度は3か月間のオンライン面談で睡眠改善を図るプログラムを導入するなど多角的なアプローチで対応しています。これらの取り組みにより、社員が自分に合った方法を自主的に選択できるよう、継続的な支援を行っています。

7. 時間外労働の状況・年次有給休暇取得状況

時間外労働時間の月平均時間
註釈
休暇取得率

リモートワークが浸透し、また、時間単位での休暇制度の導入後、それが有効に活用され年次有給休暇の取得率が減少しました。ただ、所用で休暇を取得するのではなく、リフレッシュのための取得がなされるよう、休暇取得キャンペーン等を継続実施しています。

休暇取得率

Ⅲ. 2024年度下期~2025年度の健康推進活動のご紹介

1. 選択できるプログラムの充実

a. フィットネストラッカー(Fitbit)と体重体組成計、健康アプリの希望者への配付

 当社では、社員の健康をサポートするため、2023年度から希望する社員へFitbitの配付※を開始しました。20259月までに約60%の社員が利用するようになり、運動習慣や睡眠の質の向上に貢献しています。利用者からは「歩行や睡眠改善のモチベーションが上がった」「在宅勤務中に長時間座りがちな際、Fitbitのアラームで立ち上がるきっかけとなり、ストレッチを実践できるようになった」といったポジティブな声が多数寄せられています。※費用投資:約15,000K

 さらに生活習慣改善を促進するため、20245月からはFiNC for BUSINESSを導入し、希望する社員が利用できる環境を整えました。しかし、202410月にNEC健康保険組合(NECけんぽ)が健康アプリWoLNを導入したことに伴い、2025年度からはWoLNへ一本化いたしました。

 FiNC for BUSINESSの利用者には体重体組成計を贈呈していましたが、WoLNでも同機器を連携できるため、2025年度も引き続き希望者に対して体重体組成計の配付を継続しています。定期的な体重計測が適正体重管理に効果を発揮することが確認されており、これらのツールを活用し、今後も社員の健康づくりに積極的に取り組んでまいります。

b. ポケットセラピスト

 当社の社員はデスクワークが多いため、肩こり・腰痛を訴える声が多く、忙しい中でもこうした不調を早期に発見し、気軽に相談できる環境が求められていました。この課題を解決するため、このたび(株)バックテックが提供する「ポケットセラピスト」のトライアル導入を決定しました。

 「ポケットセラピスト」では、肩こり、腰痛、腕/脚の痛み、眼精疲労、疲れ/疲労、ストレス、不安、不眠/睡眠トラブル、頭痛、月経/PMS、更年期障害、ロコモティブシンドロームなど、心身のさまざまな不調や悩みについて、オンライン面談やテキストベースで医療職(セラピスト)に相談ができます。

 導入後6か月時点での利用実績は、利用登録率56%、ラーニング動画の視聴回数は1556回、テキスト相談人数:21名、オンライン相談人数:7名となっています。

 利用者からは、「体調回復に向けたサポートが継続的で、安心感がある」「目標までの期間や取り組むべきことが明確なので、非常に助かっている」といった好意的な声が寄せられています。

 今後も社員へのプログラム活用促進活動を継続して行うとともに、(株)バックテックとの間で定期的な打ち合わせを実施し、より多くの社員が利用する、より効果的なプログラムへと改善を図っていきます。

c. VDTオンラインセミナー&目の検診

 当社の業務ではPCなどのディスプレイを長時間使用する機会が多いため、以前から健康アンケートにおいて「目に関する健康イベント」の実施を希望する声が多数寄せられていました。そこで2025年度は、株式会社OUIによる「VDTオンラインセミナー&目の検診(MobileEyeScan)」を実施しました。

 実施内容は以下の通りです。まず全社員を対象に「VDTオンラインセミナー」を開催し、VDT症候群(ディスプレイ作業による健康障害)の基礎知識、予防法や対策方法について知識を提供しました。その後、全拠点において目の検診を実施し、397名の社員が参加しました。

 検診は各事業所へ株式会社OUIの検査員が来訪し、オンライン問診票への回答(事前)と、10分程度の検査(当日)を組み合わせた形式で行われました。検査結果は眼科専門医のもとにおいて、問診内容とともに診断され、診断結果はメールで本人に送付されます。必要に応じてオンライン診療による詳しい説明や、処方箋の発行(本人負担)も可能です。

 今回、テレワーク率が高い状況にもかかわらず多くの社員が検診を受けたことは、目の健康に高い関心があることを示しています。今後も定期的に目の健康に関する情報提供や、生活習慣の改善に向けた働きかけを継続していく予定です。

d. オーラルケアセミナー&オーラルケアチャレンジ

 当社では、数年ごとに口腔ケアに関するオンラインセミナーを開催しており、毎回多くの参加があります。このことから、口腔ケアへの関心の高さが伺えます。

 2025年度上期、ライオン(株)のプログラム「オーラルケアセミナー&オーラルケアチャレンジ」を初めて実施いたしました。このプログラムでは、まず「オーラルケアセミナー」で口腔ケアに関する基礎知識を得た後、希望者は1か月間の「オーラルケアチャレンジ」に参加できます。

 今回のチャレンジ内容は、①昼食後の歯磨き②毎日のデンタルフロスの使用③電動音波歯ブラシの使用とし、必要なセットは事前に312名の参加者の自宅へ送付しました。

 チャレンジ実施後のアンケートでは、「歯の表面がツルツルになり気分がよくなった」「フロスを使わないと歯磨きをした気にならなくなった」「歯磨きを丁寧にするようになり、口腔ケアの意識が高まった」などの多くの肯定的な声が寄せられました。また、家族も喜んでいたとのコメントが多数寄せられました。

 今後もご家族を含めた健康づくりの機会をさらに提供できるよう、新たな活動を検討・実施して参ります。

e. スマートAction

 健康推進の関心テーマは人それぞれ。それを求めるタイミングも人それぞれであることから、2023年度から(株)ルネサンスで開始されたサービスであるスマートActionを導入いたしました。フィットネス業界大手の(株)ルネサンスが手掛けるサービスであるため、社員からの注目度は高く、選択の幅が拡がったとの声が多く寄せられています。

 その内容は、例えば、(株)ルネサンスが一般向けに実施しているオンラインレッスン(ヨガ・ピラティス・初級エアロ他)への参加やゴルフに役立つストレッチ&エクサ サイズ、ヒップホップ、フェイシャルセラピー、アンガーマネジメント実践法、マインドフルネス~パフォーマンス向上・ストレス緩和~、スリープタフネスセミナー、どんより低気圧のラクな乗り越えかた、お酒のホントとたしなみ術、歯と口のヒミツと簡単ケア、親の介護と仕事の両立、親子ヨガなど社員の幅広い関心に対応したランナップになっています。また、プログラムは朝から晩まで用意されており、始業前、就業時間中、終業後、休日等、各人の都合の良いタイミングで参加することができます。

 2025年7月に本サービスのプラットフォームが刷新され、大幅に利用しやすくなりました。2025年9月には、ルネサンスによるリニューアルキャンペーンにも参加し、利用登録&視聴の促進を図り、2025年9月末現在、利用登録率は約32%となりました。

f. 睡眠改善施策

 当社では、以前から定期健康診断の問診票で「睡眠に満足していない」という回答が多く、睡眠を重要テーマとしてきていました。そこで、これまで睡眠セミナーや睡眠改善プログラムを実施してきましたが、2024年度の健康アンケートにて「知識はあるが行動できていない」という回答が44%と大変多かったことから、2024年度下期にはより個々の悩みに対応できるよう、(株)ニューロスペースの睡眠チェック「My Sleep」を希望者に実施いたしました。

 550名が利用し、各人に対して睡眠のタイプや課題、改善アドバイスを記載した睡眠レポートが配付されました。この550名分のデータ分析結果から当社社員の睡眠傾向や共通課題が明らかになり、それをもとに2025年度上期には(株)ニューロスペースに睡眠セミナーを実施していただきました。

 睡眠改善には、さまざまな対策方法を知り、できることから実践することが大切です。今後も、継続的に睡眠セミナーを開催するとともに、「WoLN」や「スマートAction」、さらに「ポケットセラピスト」の活用方法などの情報提供を継続して行ってまいります。

g. 休日のオンライン健康イベント

 2023年度下期より、休日に「食と健康」について楽しく学べる健康イベントとして、㈱ごはんのこと(オーガニック料理教室ワクワクワーク)による料理実習付きオンライン健康セミナーを実施しています。2025年度上期には、3回にわたり開催し、社員272名とその家族265名、合計537名が参加しました。

 今回のテーマは「旬の力で暑い夏を乗り切ろう!」で、メニューは「夏野菜たっぷりスパイスカレーと簡単サラダ」。事前に、カレー作りに必要な旬の有機野菜を各家庭へ送付し、余った食材も無駄なく活用できるレシピも紹介しました。

 参加者からは、「無駄のない野菜の切り方が大変参考になった」「普段食べている野菜とは全然違う新鮮でおいしい野菜が届いて嬉しい」「子供も参加できるので、家族で賑やかに過ごせて大満足」「野菜のうまみを感じる、普段とは違うカレーで美味しかった」などの満足度の高いコメントが多数寄せられました。

 家族を含む参加者が、食と健康について考える機会となるこのようなイベントは、大変有意義であると考えています。今後もより良いものになるよう改善を重ねながら継続して実施していきます。

h. 休日の集合制健康イベント

  • ①2024年度下期の集合イベント

     2024年度下期の集合イベントとして、お台場にて「ARスポーツHADO体験!×ウェルネスフェス~BBQ」を開催しました。 ここ数回は一流アスリートを招いたイベントを実施してきましたが、今回はより幅広い層の社員とその家族に参加して貰えるように意図した企画です。

     HADOAR(拡張現実)技術を活用した新感覚スポーツで、ゴーグルとアームセンサーを装着することで、エナジーボールを放ったり、シールドを展開して防御したりすることができます。やはり、従来のイベントと比較して幅広い層の社員からの参加申し込みがあり、61118名の社員と家族が参加しました。HADO体験では、23人のチームで対戦するHADOバトルや、モンスターを倒すアクティビティ型コンテンツを実施。家族や同僚同士で競い合い、大人も子どもも一緒になって楽しむ姿が見られました。

     また、今回も健康イベントとしての意義を高めるために、(株)アスポにご協力いただき、身体年齢測定、骨密度測定、姿勢測定などのウェルネス測定会も同時に実施し、現在の身体の状態を知る機会を提供しました。

     HADO体験後はBBQ会場へ移動し、食事を楽しみながら親睦を深めました。参加者からは「家族と一緒にHADOを体験できてよかった」「運動にもなり、コミュニケーションの場としても有意義だった」といった満足度の高いコメントが多数寄せられました。

     今後も社員の多様な関心に応える企画を用意し、イベントを通じて家族も含めた会社の健康推進活動への関心を高めていけるよう努めてまいります。

② 2025年度上期の集合イベント

 当社において、ここ数年継続して実施している一流アスリートを招いたイベントとして、2025年度は新日本プロレス所属(オリンピック柔道金メダリスト)のウルフ アロンさんをお招きしての集合制健康イベントを921日()に社員とその家族75名で実施いたしました。

 ウルフ アロンさんには、東京五輪や食事・メンタル・トレーニングについてなどユーモアたっぷりにお話いただいたあと、日頃、ウルフさんが行っているトレーニングの一環であるスクワットを参加者全員で気合の掛け声とともにやりきりました。最後には柔道の技もお披露目いただき、金メダリストの迫力を間近で感じることができるイベントとなりました。

 また、今回も健康イベントとして十分に楽しんでいただけるように、(株)アスポにご協力いただき、身体年齢測定、姿勢測定、骨密度測定、足指筋力測定と生活習慣カウンセリング、謎を解きながら運動を体験する新企画、頭脳と身体を駆使する「謎解きクエスト」、健康グッズ体験の他、輪投げなど大人から小さいお子さんまで身体を動かして楽しめるコーナーも用意いたしました。イベント終了後に実施した参加者アンケートでは、イベントへの満足度は5段階中4.56と高評価を得ました。参加者からは、

・「講演会では、オリンピック選手ならではのメンタル管理の方法など、普段なかなか聞くことができない話を伺うことができ、とても貴重な体験となりました」
・「健康を切り口に、社内の様々な立場の方と交流ができてよかった」
・「骨密度や姿勢など、普段では測る機会のない数値を知ることができ、今後より健康について意識しようと思えた」

といったコメントが寄せられました。

 集合型の健康イベントは、参加者の健康増進へのモチベーション向上に加え、参加者間の一体感の醸成やコミュニケーションの活性化にも効果的です。今後も内容を改善しながら継続的に実施してまいります。

2. 全員参加型取り組みの継続・強化

a. イキイキ健康MTG

 リモートワークの浸透により、各自の健康管理が以前より重要となり、また、職場のコミュニケーションが不足しないような工夫が必要となりました。そこで、健康をテーマとする職場懇談会(イキイキ健康MTG)を2021年度11月の健康月間にはじめて実施したところ参加者から大変好評であったため、それ以降、健康月間イベントとして年2回の実施を継続しています。

 毎回、参加者同士の話し合いのネタとなる資料を提供しており、例えば、2025年度上期は、産業医からの社員に向けたメッセージ動画を視聴後、その内容を踏まえて、自身の健康や生活習慣を振り返り、どのように改善していけば良いかということを話しあって貰いました。

 毎回多くの社員が参加しており、2025年度上期も約80%の社員が参加しました。また、本取り組みの意義度は2024年度上・下期は4.442025年度上期は4.435段階評価)と毎回高い意義度になっています。

 実施後のアンケートでは、「健康の重要性を認識するために定期的にこのような場を設定して情報共有していきたい」「皆同じ課題を抱えていたりすることの気付きや意見交換の良い機会となった」「互いの健康目標を称えあってモチベーションも向上した」「知らない健康プログラムや取り組みがあったので今後活用したい」等の回答が寄せられました。

 本活動は、いきいき職場作り及び健康推進活動の浸透を図る中心的な活動として、今後も継続実施して参ります。

b. 全員の健康/生活習慣目標設定&フォロー

 当社では、社員の多様なニーズに応えるため、多くの健康推進プログラムを用意し、興味のあるものを選べるようにしています。しかし、「時間がない」「健康への関心が低い」などの理由で、健康推進活動に参加しないまたは参加できない社員が依然として一定数存在しています。

 こうした状況を踏まえ、2025年度は重点施策として「少しでも健康を意識し、行動を始める」ことを掲げました。具体的には、全社員が健康/生活習慣目標を設定し、それを上司との1on1ミーティングで定期的にフォローアップする取り組みを開始しました。

 本活動の実施にあたっては、取り組みのモチベーション高めるために、産業医から社員に対してメッセージをいただき(動画視聴)、また、目標設定などに関してウェルネスプロモーションセンターから助言をいただきました。

 今後も運用の改善を図り、本活動を浸透できるよう継続して取り組んで参ります。

c. 健康アンケート

 当社では社員の生活習慣の把握や健康推進活動上のニーズの把握などを行うため、2021年度から年1回の全社員を対象とした健康アンケートを実施しています。

 2024年9月に実施したアンケートには約8割の社員から回答がありました。前回のアンケート以降、「運動をするよう心掛けるようになった」とする社員が18.7%、「食事に気を付けるようになった」とする社員が19.3%と、一部の社員で行動変容が行われたことが確認できました。然しながら、「気を付けたいとは思っているが行動変容できていない」という回答が、運動で37.3%、食事で30.7%ありました。

 2025年度もアンケートを実施しており、その分析結果や寄せられた健康推進活動へのいろいろなアイデア、提案、意見などを踏まえ、今後の活動推進に活かして参ります。

3. 健康推進活動の更なる浸透のために

a. Drive for health

 健康推進活動の一層の浸透のためには、「わかりやすく伝えること」が必要と考え、健康へ向かう指標を健康管理および生活習慣を切り口として、10の項目にしぼりDrive for healthとしてビジュアル化し、繰り返し伝える取り組みを2024年度から行っています。今後も内容の見直しを行い、社員にわかりやすい活動になるよう取り組んで参ります。

b. Drive for healthの日

 2025年度から毎月7日をDrive for healthの日と定め、健康推進活動への参加機運を高め健康推進活動を身近に感じてもらう目的で、ニュースレターの発信を開始しました。内容としては、健康/生活習慣目標に向けた取り組みについての社員からの紹介とその時点で参加できる健康推進活動に関する紹介です。なお、第一号では、本活動の重要性を社員に理解してもらうため、経営幹部の健康目標を掲載いたしました。

c.管理職キックオフ

 健康推進活動を浸透させるためには、管理職からの職場メンバーへの働きかけや業務調整等が必要であり、管理職は健康推進活動上のキーマンであるとして、2021年度から管理職キックオフを実施しています。

 実施内容は、①産業医による「当社社員の健康状況と管理職へ期待する役割」に関する講話②健康推進WGリーダーによる「当該年度の健康推進活動についての説明と管理職への協力依頼」です。これらを予め収録し、ストリーミング配信によりいつでも視聴できるようにしています。2025年度は約80 %の管理職が視聴&アンケート回答をしました。

 実施後のアンケートで、「仕事をするにも体が資本なので、メンバー全員の健康に気を付けていきたいと思う」「社員の幸せのためにも会社としての業績維持のためにも、健康意識を高めて可能な限り健康推進活動に取り組んでいきたいと思う」「イキイキ健康MTG1on1でしっかり健康の話をしていこうと思った」などのコメントが寄せられました。

d. 健康月間

 2021年度から5月と11月を健康月間と定めており、健康推進WGリーダーから健康に関するメッセージを発信するとともに、全社ウォーキングイベントと全職場でのイキイキ健康MTG等を実施しています。

 全社ウォーキングイベントは、「気軽に参加できる」「歩くモチベーションになる」と大変好評であり、参加エントリー&歩数目標設定をした後、各人で1か月のウォーキングにチャレンジするかたちで実施しています。2025年度下期は377名の社員が参加エントリーしました。

 また、全職場で健康をテーマとして懇談会を実施する「イキイキ健康MTG」も健康推進活動を浸透させる重要な取り組みとして、工夫改善しながら今後も実施して参ります。

e. 社員向け健康推進のホームページ「Health&Fine」の整備

 ここ数年、健康推進プログラムが増えるとともに、たくさんあるプログラムをわかりやすく社員に示し、また、参加可能な健康推進情報等を簡単に情報入手できるツールが必要となり、2023年度4月に健康推進のホームページ「Health&Fine」をリニューアルしました。リニューアル後も、少しずつ、改良を重ねています。

 更に身近に感じてもらい、更に使用してもらえるよう引き続き改善に取り組んで参ります。

4. いきいき職場づくり

a. 女性特有の健康課題への対応

 女性特有の健康課題への対応として、2023年度から(株)LIFEMによるルナルナ オフィスを実施しています。

 月経・更年期のプログラムを利用しており、参加者は医師によるオンライン診療や症状に合わせた漢方・低用量ピルなどの処方をプログラム実施中の12カ月間無料で受けることができます。2023年度/2024年度のプログラムへの参加者へアンケートを取ったところ、不調の改善など、非常に満足度が高く、他の社員にも利用を勧めたいと回答した割合が高かったため、2025年度も継続することといたしました。

 2023年度の導入当初、プログラムへの参加は1年限りとの想定でしたが、一部個人負担の仕組みも用意されているとのことから、2年目以降の参加も可とすることといたしました。

 女性特有の健康課題に関しては、職場の理解向上への取り組みも欠かせません。そのため、毎年オンラインセミナーやeラーニング等リテラシー向上を目的とした取り組みを行っています。今後も、より全員が健康を大切に思う、いきいき働きやすい職場作りに取り組んで参ります。

b. オンライン卒煙プログラムの実施&禁煙の日(スワンスワンデー)の設定など

 当社では、喫煙が健康に有害であることは医学的に疑問の余地がなく、健康推進とは相反する行為と考え、“卒煙”を目指す社員を応援しています。

 20234月には就業時間中全面禁煙とし、それまで3年間実施されてきたNECけんぽによるオンライン卒煙プログラムが終了したことから、当社独自に新たなプログラムとして、(株)CureAppによるオンライン卒煙プログラム(ascure卒煙)を2023年度から導入し、2024年度からはLINEを使った面談無し3か月のプログラムであるascure卒煙ライトも併せて導入いたしました。

 2024年度は両プログラム合わせて31名の参加申し込みがあり、プログラム参加者へアンケートを取ったところ、卒煙成功者からは「指導員や専用アプリのサポートにより、ニコチン依存症に関する正しい知識を理解しながら禁煙を進めていくができ、結果として禁煙に成功することができてよかった」等のコメントが寄せられました。また、今回卒煙とはならなかった場合でも「プログラムへの参加を通じて減煙することができた」「卒煙に向けてどうすべきかを考える機会になった」等のコメントが寄せられました。そのため、2025年度も両プログラムを継続し、再チャレンジも含め、参加者の募集を引き続いて行っています。

 その他の施策としては、毎月22日を禁煙の日(スワンスワンデー)と定め、タバコに関する啓発情報およびオンライン卒煙プログラムについて掲載した全社通知を発信しています。一人でも多くの社員がタバコを止めることができるように、今後も喫煙者への支援を継続して参ります。

5. 各種メンタルヘルス対策

 メンタルヘルスケアを健康管理の重要課題と位置付け、NECグループとしての施策、当社独自の施策を用意し、社員の心の健康維持による健全な職場づくりを進めています。

a. NECグループとしての施策
b. 当社独自の施策

コミュニケーション活性化施策

 新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに、リモートワークが急速に浸透・定着化するとともに、職場におけるコミュニケーション活性化の重要性が高まってきています。

 当社では、以前から社内コミュニケーションの活性化に力を入れて参りましたが、毎年、改善を図りつつ、職場はもとより、組織を超えたコミュニケーションを活性化させるための様々な取り組みを実施しています。

元気プロジェクト(地域自律化活動) 当社には札幌から福岡まで8つの事業所があり、事業所毎に元気プロジェクトという事業所メンバーが元気になるための、自律的な活動を推進しています。例えば、事業所メンバーの親睦を図るためのボウリング大会やオンラインイベントなど創意工夫した活動が行われています。
毎年の創立記念イベントの開催

毎年、当社の創立記念日がある月に、創立記念イベントを開催しています。イベントは全地区およびフィリピンの子会社も繋いだオンラインで実施。社員がつながるための活動やがんばった社員を讃える表彰式等、社員同士のつながりを改めて感じることができるイベントとなっています。

社内ホームページでの活発な情報発信

当社では社員が積極的な情報発信をして、お互いの理解を深めることができるように、社内ホームページの活用を促進しています。職場でのイベントの報告記事等が毎日たくさん投稿されており、他の部門がどういうことをしているのか、どんな人がいるのか等を知ることができるようになっています。

コミュニケーションツールの活用

当社ではコミュニケーションツールとしてMicrosoft Teamsなどを活用しています。20221月からは全社員参加型のチームを立ち上げ今年3年目を迎えました。情報をタイムリーに発信できる、情報を受け取った側のリアクションがわかる(いいね・返信)、スマートフォンで気軽にやり取りできるなどのTeamsの強みを生かし、経営層との双方向のコミュニケーションや組織や階層の枠を超えた相互コミュニケーションを可能としています。また、20224月からは、Thanks/Praise(サンクス/プレイズ)という、TeamsUIのなかで「Thank you」「Great!」等の"ステッカー"と呼ばれるアイコンを送り合って感謝・称賛を伝え合う取り組みも継続して実施しています。

6. 充実したNECグループとしての取り組みの有効活用
a. 健康診断

 生活習慣病の早期発見・早期対応を目的に、定期健康診断項目の省略をせず、全社員に血液検査を実施しています。これにより、入社から退職まで一貫した生活習慣病対策が可能となっています。なお、2024年度の定期健康診断受診率は100%でした。

b. 健診結果予測シミュレーション

 NECグループでは、20197月から社員自身がWeb上で今後の健康リスクや現在の生活を改善した場合のシミュレーションができるサービスを導入しています。本サービスは、健診結果の数値の意味について動画で解説するとともに、AIが分析した効果の高い生活改善提案や、生活改善を実践した場合の将来予測の可視化を行います。本サービスを活用することで、個々人が主体的に健康改善の意識を持ち、行動変容することを支援しています。

c. 要治療・要精密検査フォロー

 健康診断の結果で産業医面談を行い、要治療あるいは要精密検査と判定されながら治療あるいは検査を受けず、放置しているという社員に対応を促すため、2022年度からフォローアップ施策を開始いたしました。

 毎月、前月の産業医面談で上記を指示された対象者に指示への対応状況の回答を求め、まだ対応していないとの回答の場合、対応勧奨をするというものです。

 2024年度からは、対応勧奨への未対応状況が継続する対象者に関しては、上司に業務調整等のサポートを依頼し、対象者本人に医療機関での受診を促しました。その結果、2024年度の要治療判定者の医療機関受診率は100%となりました。

 個別対応の地道な施策ですが、重症化する社員を一人でも減らせるように継続して取り組んで参ります。

d. 生活習慣病予防

 健康診断の結果、総合判定が要治療と診断された社員のみならず、要生活改善に該当する社員も対象に、産業医や保健師による保健指導が行われています。また、特定健診項目でメタボおよび予備軍判定に該当した社員は、法令の定める40歳以上に加え、30歳以上の該当者も保健指導対象として支援しています。

 2023年度からは、特定保健指導対象となり、参加を要請しても対応しない社員に対し、人事総務統括部から参加を勧奨する取り組みを開始いたしました。

 要生活改善に該当する社員は心疾患や脳卒中などの脳血管疾患等、生活習慣病の発症のリスクが高まります。生活習慣病の予防や早期治療に繋げるために本取組を継続して実行してまいります。

e. 新入社員向け健康サポート

入社後の保健指導プログラムと保健看護職による配属後のフレッシャーズ面談

f. がん対策

 がん対策としては、生活習慣の改善とともに、早期に発見し、早期に治療を開始することが重要であり、がん検診受診率の向上に努めています。 

 従来から低廉な自己負担額で、勤務時間内に受診できる環境を整えていましたが、2022年度は、NECグループとして受診選択肢の拡大等改善が行われ、更に当社では独自に自己負担額3000円をキャッシュバックするキャンペーンを2022~2023年度に実施いたしました。(2024年度からはNECグループ全体で個人負担ゼロとなりました)

 その他、がん検診受診の各職場での働きかけやがんサバイバーによるがん検診受診促進セミナーの対象者全員受講呼びかけ(受講率約70%)等を行ってきており、がん検診の受診率は2021年度の約36%から2023年度、2024年度の約80%へと大幅に上昇いたしました。

 今後、更に受診率を高めるべく、未受診者への受診勧奨やがん検診受診の更なる習慣化に向けての取り組みを検討・実施して参ります。

 治療と仕事の両立支援のため、2020年8月、会社の姿勢や進め方、本人や職場上司の留意事項などをガイドラインとして策定しました。状況に応じて、罹患者本人や職場、ウェルネスプロモーションセンター、人事総務統括部が連携しながら個別に就労支援に取り組んでいます。 

g. 感染症対策

 NECグループでは、感染症に関する相談窓口をウェルネスプロモーションセンターに設置しているほか、予防対策として、季節性インフルエンザの予防接種に関する費用補助を行っています。更に、当社では季節性インフルエンザの予防接種を希望する社員を対象に、職場でのインフルエンザ予防接種イベントを実施し、インフルエンザ感染予防および職場内感染拡大防止に努めています。

 また、近年、3040代の働く世代に流行している風疹について周囲への感染、特に妊産婦の感染による次世代への影響について情報提供を行うとともに、ワクチン接種の推奨を安全衛生委員会や社内ポータルサイトを用いて行っています。

 その他、海外渡航の際は、結核やマラリアなど届出が必要となる感染症をはじめ、現地で日常的に見られる感染症や近年流行の感染症について生活上の注意喚起や予防接種の啓発を行い、赴任前から必要な対策を講じています。また、渡航後の健康管理にも注意を払っています。

7. その他の取り組み 
労働安全衛生

 当社ではNECグループ労働安全マネジメントシステムを運用しています。

 年度初めに全社安全衛生目標を定めた上で、毎月の実施計画を定め、毎月の安全衛生委員会にて進捗状況の確認をしています。

 災害報告が上がってきた際には、その内容を安全衛生委員会で報告し水平展開をしています。また、年1回ヒヤリハット事例を募集し、災害の発生を予防する活動を行っています。引き続き、各地区の関係者と連携し、運用の改善に継続的に取り組み、社員が安全・安心に働くことができる環境作りに取り組んで参ります。

 当社の社員における労働災害は、外出・出張中における駅の階段でのつまずきや道路での転倒などが主となっています。また、関係機関からの重大な法令違反などの指摘は受けていません。

【労働災害発生状況】

労働災害発生状況