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NEC通信システム 健康白書 2024年度版

- Ⅰ. 健康経営の推進
- 1. トップメッセージ
- 2. NECグループ健康宣言
- 3. 健康経営優良法人2025(大規模法人部門(ホワイト500))認定
- 4. 推進体制
- 5. 健康経営全体フロー
- Ⅱ. 当社社員の現状
- 1. ストレスチェックの状況
- 2. 生活習慣病関連有リスク者推移
- 3. 非喫煙率の推移
- 4. 朝食摂取率の推移
- 5. 早歩き自認率の推移
- 6. 睡眠満足度の推移
- 7. 時間外労働の状況、年次有給休暇取得状況
- Ⅲ 2024年度の健康推進活動のご紹介
- 1. 健康推進活動浸透のための取り組み
- 2. 健康活動へのモチベーションをUPさせる環境作り
- 3. 健康リテラシーの向上
- 4. 全員参加型活動の継続
- 5. いきいき職場作りへの取り組み
- 6. 各種メンタルヘルス対策
- 7. 充実したNECグループとしての取り組みの有効活用
- 8. その他の取り組み
Ⅰ. 健康経営の推進
1. トップメッセージ
代表取締役 執行役員社長 火物 丈裕
当社は「元気を基盤に成長と進化を強い意志と実行力で成し遂げる」ことを経営方針としています。 そして、元気の源は「健康」にあるとし、「全員が健康を大切に思う文化の醸成」を目指しています。そして、健康推進活動により、各人がパフォーマンスを高め、いきいきとした風通しの良い職場で、働き甲斐をより高め、全員が元気に活躍することが、事業の成長、企業価値の向上につながるとし、その実現を重要な経営課題と位置付けています。
この数年、健康推進の取り組みを強化してきており、がん検診の受診率が2021年度の36.3%から2022年度の65.6%、2023年度の79.0%へと大幅に上昇するなど、いろいろな面で社員の健康意識の向上を感じる場面があります。また、健康診断での有所見率が2019年度から2020年度にかけて大幅に悪化しましたが、その後、健康促進施策で回復軌道にのり、2023年度は2019年度よりスコアが上回りました。エンゲージメントスコアも当社が所属するNECグループ全体の中でトップクラスのスコアを達成しながら上昇しており、活動の成果が現れているように感じています。
しかし、2024年度に実施した全社員を対象とする健康アンケートで、「運動や食事等の生活習慣を変えなくてはいけないと分かっていても、行動することは難しい」と未だ30%以上の社員が回答していること、健康診断後の産業医や看護職との面談後に精密検査や再検査指示への対応や特定保健指導対象者の対応率が十分ではないこと等、更なる改善の余地があると考えています。
2024年度は、健康推進活動の一層の浸透を図るためには、社員への浸透しやすいメッセージの提示が重要との考えから、健康へ向かうための健康管理と生活習慣に関する10の項目を『Drive for health』として掲げ、繰り返し伝えていくことを実施しており、重症化予防等今まで全社員への周知が不足していたテーマについても伝える取り組みをしています。
また、更なる健康維持・増進のモチベーション向上支援策として、2023年度から開始した希望者へのフィットネストラッカーの配付に加えて、2024年度は健康アプリを導入し、体組成計も配付する等、より幅広い層が生活習慣を改善するきっかけ作りとその継続支援に取り組んでいます。
当社は今後も社員の健康状態やニーズの把握に努め、全員が仕事もプライベートも元気に活躍できるよう健康活動を推進し、事業の成長、企業価値の向上を図り、豊かな社会作りへ貢献して参ります。
2. NECグループ健康宣言
NECグループでは2019年度に「NECグループ健康宣言」を制定しました。健康宣言には、単に病気にならなければよいということではなく、よりよいコンディション(健康状態)を目指して行動し、一人ひとりが心身ともにいきいきと働くことで自己実現を果たし、ひいてはNECグループの社会価値創造につなげたいという思いが込められています。
その実現に向けて、健康スローガン「Better Condition, Better Life」を掲げ、3つの取り組み方針「Literacy」「Practice」「Technology」に基づいた健康に対する意識改革・行動変容・定着支援のためのさまざまな健康推進活動を実施しています。
NECグループ健康宣言
Better Condition, Better Life
~一人ひとりのより良い人生、豊かな社会へ~
社員とその家族一人ひとりが、
自ら心身のコンディションを整え健康を大切にする文化、
夢に向かってワクワクとした気持ちで働く環境・状態を創造します。
すべての社員の健康や活力を原動力として、豊かな社会の実現に貢献します。
3. 健康経営優良法人2025(大規模法人部門(ホワイト500))認定
「NECグループ健康宣言」の下、NECグループ共通施策および当社独自の取り組みを強化推進した結果、健康経営優良法人2025(大規模法人部門 (ホワイト500))に認定されました。
大規模法人上位500社に認定されるホワイト500は昨年に続き2年連続3度目の認定となります。

4. 推進体制

5. 健康経営全体フロー

数値推移

Ⅱ. 当社社員の現状
1. ストレスチェックの状況


ストレスチェックは、自身のストレスへの気づきと職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調を未然に防止するものとして、受検の促進を図っています。
2023年度は、集団分析結果を職場環境改善に活用する取り組みをウェルネスプロモーションセンターと連携しながら開始いたしました。
2. 生活習慣病関連有リスク者推移

コロナ渦によるワークスタイルの変化により、2020年度に健診データが悪化しました。特に肥満、脂質異常で顕著でしたが、健康促進施策の結果、2021年度、2022年度と改善傾向。2023年度は更に改善され、2019年度よりスコアが上回りました。血圧は2022年度と変わらず、血糖値は2022年度から少し悪化しましたが、全体的な有リスク率は2019年度よりスコアが上回りました。
肥満:BMI 25以上
脂質異常: 中性脂肪150以上or善玉コレステロール40未満or悪玉コレステロール140以上
血圧異常:140/90以上
血糖値異常:空腹時血糖 110以上 or HbA1c 6.0以上
3. 非喫煙率の推移

全社、男女とも、たばこを吸わない人が少しずつ増加しています。
2023年度からは就業時間中全面禁煙とし、当社独自にオンライン卒煙プログラムを導入いたしました。また、毎月22日を禁煙の日(スワンスワンデー)と定め、定期的に卒煙プログラムへの参加勧誘と禁煙への意識啓発を行っています。
4. 朝食摂取率の推進

朝食を摂ることは、体内時計や栄養摂取のバランスを整え、こころの健康に関係していると言われおり、とても重要な習慣であると位置付けています。
年齢層を35歳未満の若年層と、35歳以上の層に分けてみると、若年層の朝食摂取習慣が低くなっています。2022年度からはその状況を職場で共有する取り組みを実施し、2022年度は一旦若年層の摂取率が高まりましたが、2023年度はやや下がりました。全体でも摂取率が下がっており、今後も継続した取り組みが必要です。
2023年度下期からは、座学によるオンラインセミナーだけでなく、料理実習付きのセミナーの実施や野菜摂取量を簡単に計測できる装置を全事業所に設置する等、食生活習慣の改善に結びつく活動となるよう工夫し取り組んでいます。
- *
朝食摂取率:週に5日以上朝食を摂っている人の割合
5. 早歩き自認率の推移

2020年度男女共大幅に下がった後、男性は改善傾向でしたが、2023年度はやや下がってしまいました。女性は、減少傾向が続いていましたが、2023年度はやや増加しました。
2023年度からは希望者へフィットネストラッカーFitbitを配付し、Fitbitの使い方や心拍数を高める運動の大切さや正しい歩き方を学べる健康セミナーを実施する等、有効に活用して貰えるようにサポートを行っています。
6. 睡眠満足度の推移

リモートワークが浸透した2020年度に睡眠満足度が大幅に向上しました。その後、少しずつ満足度が下がってきており、2024年度の健康アンケートでは44%の社員が「睡眠に気を付けたいと思っているが行動できていない」と回答しました。
2023年度から睡眠状態を計測できるFitbitを希望者に配付するとともに、オンライン睡眠セミナーを実施しています。2024年度は座学だけではなく、積極的に休息することの重要さを実技を交え学べるセミナーなど、いろいろな観点からの情報提供を行い、自分に合ったものを選択して、実行できるように支援をしています。
7. 時間外労働の状況・年次有給休暇取得状況



リモートワークが浸透し、また、時間単位での休暇制度の導入後、それが有効に活用され年次有給休暇の取得率が減少しました。ただ、所用で休暇を取得するのではなく、リフレッシュのための取得がなされるよう、休暇取得キャンペーン等を行っており、取得率は上がってきています。

Ⅲ. 2024年度の健康推進活動のご紹介
1. 健康推進活動浸透のための取り組み
健康推進活動の一層の浸透のためには、「わかりやすく伝えること」が必要と考え、健康へ向かう指標を健康管理および生活習慣を切り口として、10の項目にしぼりDrive for healthとしてビジュアル化し、繰り返し伝える取り組みを開始いたしました。
9月に実施した健康アンケートで、「Drive for healthについて知っている」と回答した社員は約30%であり、更なる浸透を図りつつ、今後も内容の見直しを行い、社員にわかりやすい活動になるよう取り組んで参ります。

2. 健康活動へのモチベーションをUPさせる環境作り
a. フィットネストラッカー(Fitbit)の希望者への配付
運動や睡眠の改善を図るモチベーションを与えるためのツールとして、2023年度から2024年度にかけて、希望者にFitbitを配付いたしました。当社社員半数を超過する合計1325名に配付いたしました。社員からは「歩行や睡眠改善を継続するモチベーションになっている」、「特に自宅で業務をしている際に、長時間座り続けてしまうことがあるが、Fitbitのアラームで動くことを促され、立ち上がりストレッチをするようにしている」等有効に活用しているとのコメントが多数寄せられています。
b. FiNC for BUSINESSの導入
2024年度からは(株)FiNC TechnologiesによるサービスであるFiNC for BUSINESS を導入いたしました。このサービスは健康アプリとeラーニングの機能を持ち、健康アプリは利用希望者を募り、1083名の社員が申し込みました。eラーニングは全社員に必須受講といたしました。
FiNCアプリは、1200万※のダウンロードがされているという有名な健康記録アプリですが、法人利用の場合、健康行動をすることによりマイルやマイルが当たる歩数ガチャを引くチケットが一般利用と比較してたくさん貰える等の利用動機付けを促すしくみがあります。※2023年11月現在のダウンロード数
社員からは、「体組成計を貰って、毎日体重を測る習慣が身に付いた」、「アプリがタイミングよくリマインドメッセージ等をくれるので継続できている」、「動画がコンパクトで、リンクから簡単に視聴できる等実用性が高い」等のコメントが寄せられており、大変好評です。(株)FiNC TechnologiesによるFiNCアプリデータの集計結果から、「体重を毎日測定している社員はBMIが改善した」、「食事の内容をアプリに記録をしている社員はBMIが改善した」等の成果が出ていることがわかりました。また、本サービス導入他社との当社社員の傾向等も把握することができました。利用登録者に、より有効に活用してもらえるよう、アプリ活用による成果等も含め情報提供をして参ります。

c. ベジチェック
2024年度は食生活の改善行動につなげる新たな取り組みとして、カゴメ(株)によるベジチェック®を7月~9月の3か月間、全8事業所で実施いたしました。これは、推定野菜摂取量を簡単に計測できる装置を各事業所に設置し、測定してもらうことにより、日頃)の野菜摂取を含む食生活について振り返り、改善のきっかけとしてもらうことを意図するものです。また、野菜摂取の大切さを理解してもらうため、カゴメ(株)の講師によるオンラインセミナーも実施いたしました。
各事業所のフロアに計測機器を設置したところ、想像していた以上に関心を持って測定し、測定結果や食生活・健康状態等について話し合っている社員の姿が見られました。
期間中、延べ3653回の測定が行われましたが、測定結果を月毎にまとめ、社員へフィードバックいたしました。

d. 休日の料理実習付きオンライン健康セミナー
2023年度下期から、休日に食と健康について学んでいただく健康イベントとして、㈱ごはんのこと(オーガニック料理教室ワクワクワーク)による料理実習付きのオンライン健康セミナーを実施しています。2023年度下期はカレーうどんを作り、社員89名と家族117名が参加いたしました。2024年度上期はビビンバ丼を作り、社員177名と家族197名が参加いたしました。
参加者には、予めオーガニック野菜を送付し、当日、それらの食材と一部参加者側で集めた食材を使い、一緒に料理をします。2024年度上期のセミナーではまず、「旬の野菜の美味しさや元気の源になることに気付く」、「常備菜の作り方やその活用の仕方について知る」等、セミナーで学んでいただきたいポイントが説明され、その後、大人も子供も一緒に楽しく料理実習を行いました。
参加者からは「画面を見ながらの調理でとてもわかりやすい」、「野菜がたくさん摂取できる料理のレパートリーが増え、とてもためになった」、「レシピが充実しているので届いた野菜を有効活用できる」、「野菜の美味しさを改めて実感でき、色々な野菜を食べたいと感じるイベントでした」等のコメントが寄せられました。
大人も子供も一緒にたのしく参加でき、大変好評であるため、今後も継続して実施する予定としています。

3. 健康リテラシーの向上
a. 社員向け健康推進のホームページ「Health&Fine」の整備
ここ数年、健康推進プログラムが増えるとともに、たくさんあるプログラムをわかりやすく社員に示し、また、参加可能な健康推進情報等を簡単に情報入手できるツールが必要となり、2023年度4月に健康推進のホームページ「Health&Fine」をリニューアルしました。リニューアル後も、少しずつ、改良を重ねています。
2024年度の健康アンケートでは、「Health&Fine」について、「この1年以内で使用することが増えた」という回答が48%あり、一定の成果を上げることは出来たと考えています。更に、身近に感じてもらい、更に活用してもらえるよう引き続き改善に取り組んで参ります。

b. 幅広いテーマのコンテンツを揃え、参加の自由度を高めたプログラムの提供
健康推進の関心テーマは人それぞれ。それを求めるタイミングも人それぞれであることから、2023年度から(株)ルネサンスで開始されたサービスであるスマートActionを導入いたしました。フィットネス業界大手の(株)ルネサンスが手掛けるサービスであるため、社員からの注目度は高く、選択の幅が拡がったとの声が多く寄せられています。
その内容は、例えば、(株)ルネサンスが一般向けに実施しているオンラインレッスン(ヨガ・骨格リセットエクササイズ・バランスコーディネーション他)への参加やゴルフに役立つストレッチ&エクササイズ、ヒップホップ、フェイシャルセラピー、アンガーマネジメント実践法、マインドフルネス~パフォーマンス向上・ストレス緩和~、自律神経の整え方、どんより低気圧のラクな乗り越えかた、お酒のホントとたしなみ術、歯ぎしり・くいしばりのヒミツ、親の介護と仕事の両立、親子ヨガなど社員の幅広い関心に対応したラインナップになっています。また、プログラムは朝から晩まで用意されており、始業前、就業時間中、終業後、休日等、各人の都合の良いタイミングで参加することができます。
毎月、(株)ルネサンスとシステムの操作性やコンテンツの充実、効果的な周知方法等、より多くの社員に有効に活用してもらえるための打ち合わせを実施しています。また、本サービスを利用されている他社の方との意見交換の場も用意されており、他社での運用上の工夫や悩み等を知ることができ、いろいろな気付きがあります。
今後もより多くの社員に活用して貰えるよう取り組んで参ります。
4. 全員参加型活動の継続
a. イキイキ健康MTG
リモートワークの浸透により、各自の健康管理が以前より重要となり、職場のコミュニケーションが不足しないような工夫が必要となっています。
そこで、健康をテーマとする職場懇談会を2021年度11月の健康月間にはじめて実施いたしました。実施後のアンケートでは、「生活習慣を見直す良い機会になった」、「職場メンバーと活発な情報・意見交換ができて有意義であった」、「普段忙しくて健康イベント情報をスルーしていたが、いろいろなプログラムがあることがわかった」等の回答が多く、好評であったため、定期的に実施することといたしました。
毎回、話し合いのネタとなる資料を提供しながら、実施継続しており、8割以上の社員が参加しています。2024年度上期は85%の社員が参加しました。また、本取り組みの意義度も前回の4.38から4.44※へ向上しました。
※5段階評価
本活動は、いきいき職場作り及び健康推進活動の浸透を図る中心的な活動として、今後も継続実施して参ります。
b. 健康アンケート
当社では社員の生活習慣の把握や健康推進活動上のニーズの把握などを行うため、2021年度から年1回の全社員を対象とした健康アンケートを実施しています。
2024年度9月に実施したアンケートには約8割の社員から回答がありました。前回のアンケート以降、「運動をするよう心掛けるようになった」とする社員が18.7%、「食事に気を付けるようになった」とする社員が19.3%と、一部の社員で行動変容が行われたことが確認できました。然しながら、「気を付けたいとは思っているが行動変容できていない」という回答が、運動で37.3%、食事で30.7%ありましたので、継続して支援策を検討・実施して参ります。また、今回も健康推進活動へのいろいろなアイデア、提案、意見等が寄せられましたので、今後の活動推進に活かして参ります。
5. いきいき職場作りへの取り組み
a. 女性特有の健康課題への対応
女性特有の健康課題への対応として、2023年度に(株)LIFEMが実施するルナルナ オフィスをトライアル導入いたしました。月経・更年期のプログラムがあり、参加者は医師によるオンライン診療や症状に合わせた漢方・低用量ピルなどの処方をプログラム実施中の10カ月間無料で受けることができるものです。2023年度は募集人数を上回る参加申込がありました。
2023年度のプログラムへの参加者へアンケートを取ったところ、不調の改善など、非常に満足度が高く、他の社員にも利用を勧めたいと回答した割合が高かったため、2024年度も継続することといたしました。導入当初、プログラムへの参加は1年限りとの想定でしたが、一部個人負担の仕組みも用意されているとのことから、継続しての参加も募集することといたしました。
その他、オンラインセミナーやリテラシー向上を目的とした情報提供を行っています。今後も、より全員が健康を大切に思う、いきいき働きやすい職場作りに取り組んで参ります。
b. 新オンライン卒煙プログラムの導入&禁煙の日(スワンスワンデー)の設定など
当社では、喫煙が健康に有害であることは医学的に疑問の余地がなく、健康推進とは相反する行為と考え、“卒煙”を目指す社員を応援しています。
2023年4月には就業時間中全面禁煙とし、それまで3年間実施されてきたNECけんぽによるオンライン卒煙プログラムが終了したことから、当社独自に新たなプログラムとして、(株)CureAppによるオンライン卒煙プログラム(ascure卒煙)を導入し、2023年度中20名が参加申し込みいたしました。プログラム参加者へアンケートを取ったところ、卒煙成功者からは「指導員や専用アプリのサポートにより、ニコチン依存症に関する正しい知識を理解しながら禁煙を進めていくができ、結果として禁煙に成功することができてよかった」等のコメントが寄せられました。また、今回卒煙とはならなかった場合でも「プログラムへの参加を通じて減煙することができた」、「卒煙に向けてどうすべきかを考える機会になった」等のコメントが寄せられました。
これらのコメントも踏まえ、本プログラムによる成果が上がっていると判断し、2024年度も継続実施することといたしました。また、卒煙プログラムに関心はあるものの、6か月の面談付きプログラムへの参加は躊躇するという社員のために、LINEを使った面談無し3か月のプログラムであるascure卒煙ライトを追加で導入し、選択できるようにいたしました。
その他の施策としては、毎月22日を禁煙の日(スワンスワンデー)と定め、タバコに関する啓発情報およびオンライン卒煙プログラムについて掲載した全社通知を発信しています。一人でも多くの社員がタバコを止めることができるように、今後も喫煙者への支援を継続して参ります。
c. 集合型健康イベントの実施
当社では、一流アスリートに学ぶシリーズとして、2022年度の元サッカー日本代表 前園真聖さん、2023年度の元プロ野球選手 鳥谷敬さんに続き、2024年度はNECレッドロケッツ川崎の島村春世選手と柳田光綺コーチによる「ふれあいバレーボール教室」を含む、集合制健康イベントを8月4日(日)に社員とその家族82名で実施いたしました。
バレーボール教室の他、健康イベントとして十分に楽しんでいただけるように、(株)アスポにご協力いただき、身体年齢測定、姿勢測定、生活習慣カウンセリング、ボクシング体験(スカッとパンチ)、健康グッズ体験の他、輪投げなど大人から小さいお子さんまで身体を動かして楽しめるコーナーも用意いたしました。
イベント実施後の参加者アンケートでは、イベントへの満足度は4.85(5段階)となり、「一流選手から丁寧な指導は貴重な体験だった」、「楽しく盛り上がれて、しかも、子供が自信をつけてもらえるような教え方をしていただき、本当にありがたかった」、「子供が楽しくなるような雰囲気でバレーボールを教えていただき、親子共々大満足」、「バレーだけでなく測定や軽く運動できるコ-ナ-があったのがよかった」、「身体の状態や運動不足であることがわかって良かった」などのコメントが寄せられました。
集合制健康イベントは、健康増進に向けてのモチベーションの高揚とともに参加者間の一体感の醸成やコミュニケーションの活性化にも効果的であり、今後も改善しながら実施して参ります。

6. 各種メンタルヘルス対策
メンタルヘルスケアを健康管理の重要課題と位置付け、NECグループとしての施策、当社独自の施策を用意し、社員の心の健康維持による健全な職場づくりを進めています。
a. NECグループとしての施策
- メンタルヘルス研修(Web/オンライン)
- ストレスチェック
- 心の健康支援プログラム
- 職場復帰支援プログラム
- 社内外相談窓口の設置
b. 当社独自の施策
- コミュニケーション活性化施策
新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに、リモートワークが急速に浸透・定着化するとともに、職場におけるコミュニケーション活性化の重要性が高まってきています。
当社では、以前から社内コミュニケーションの活性化に力を入れて参りましたが、毎年、改善を図りつつ、職場はもとより、組織を超えたコミュニケーションを活性化させるための様々な取り組みを実施しています。
元気プロジェクト(地域自律化活動) | 当社には札幌から福岡まで8つの事業所があり、事業所毎に元気プロジェクトという事業所メンバーが元気になるための、自律的な活動を推進しています。例えば、事業所メンバーの親睦を図るためのボウリング大会やオンラインイベントなど創意工夫した活動が行われています。 |
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毎年の創立記念イベントの開催 | 毎年、当社の創立記念日がある月に、創立記念イベントを開催しています。イベントは全地区およびフィリピンの子会社も繋いだオンラインで実施。社員がつながるための活動やがんばった社員を讃える表彰式等、社員同士のつながりを改めて感じることができるイベントとなっています。 |
社内ホームページでの活発な情報発信 | 当社では社員が積極的な情報発信をして、お互いの理解を深めることができるように、社内ホームページの活用を促進しています。職場でのイベントの報告記事等が毎日たくさん投稿されており、他の部門がどういうことをしているのか、どんな人がいるのか等を知ることができるようになっています。 |
コミュニケーションツールの活用 | 当社ではコミュニケーションツールとしてMicrosoft Teamsなどを活用していますが、2022年1月からは全社員で情報をやり取りができる全社Teamsを立ち上げました。これは、情報をタイムリーに発信できる、情報を受け取った側のリアクションがわかる(いいね・返信)、スマートフォンで気軽にやり取りできるなどのTeamsの強みを生かし、組織や階層の枠を超えた相互コミュニケーションを可能とするものです。また、2022年4月からは、Thanks/Praise(サンクス/プレイズ)という、TeamsのUIのなかで「Thank you」「Great!」等の"ステッカー"と呼ばれるアイコンを送り合って感謝・称賛を伝え合う取り組みも開始しました。 |
7. 充実したNECグループとしての取り組みの有効活用
a. 健康診断
生活習慣病の早期発見・早期対応を目的に、定期健康診断項目の省略をせず、全社員に血液検査を実施しています。これにより、入社から退職まで一貫した生活習慣病対策が可能となっています。なお、2023年度の定期健康診断受診率は100%でした。
b. 健診結果予測シミュレーション
NECグループでは、2019年7月から社員自身がWeb上で今後の健康リスクや現在の生活を改善した場合のシミュレーションができるサービスを導入しています。本サービスは、健診結果の数値の意味について動画で解説するとともに、AIが分析した効果の高い生活改善提案や、生活改善を実践した場合の将来予測の可視化を行います。本サービスを活用することで、個々人が主体的に健康改善の意識を持ち、行動変容することを支援しています。
c. 要治療・要精密検査フォロー
健康診断の結果で産業医面談を行い、要治療あるいは要精密検査と判定されながら治療あるいは検査を受けず、放置しているという社員に対応を促すため、2022年度からフォローアップ施策を開始いたしました。
四半期ごとに産業医面談で上記を指示された対象者に指示への対応状況の回答を求め、まだ対応していないとの回答の場合、対応勧奨をするというものです。
個別対応の地道な施策ですが、重症化する社員を一人でも減らせるように継続して取り組んで参ります。
d. 生活習慣病予防
健康診断の結果、総合判定が要治療と診断された社員のみならず、要生活改善に該当する社員も対象に、産業医や保健師による保健指導が行われています。また、特定健診項目でメタボおよび予備軍判定に該当した社員は、法令の定める40歳以上に加え、30歳以上の該当者も保健指導対象として支援しています。
2023年度からは、特定保健指導対象となり、参加を要請しても対応しない社員に対し、人事総務本部から参加を勧奨する取り組みを開始 いた しました。
e. 若年層向け健康サポート
新入社員から30歳までの若年層を対象に、以下の健康サポートサービスを展開しています。
- ・新入社員
入社直後の保健指導プログラムと保健看護職による配属後のフレッシャーズ面談 - ・27歳…全員面談
- ・30歳…健康カレッジ30 *参加型集合研修
f. がん対策
がん対策としては、生活習慣の改善とともに、早期に発見し、早期に治療を開始することが重要であり、がん検診受診率の向上に努めています。従来から低廉な自己負担額で、勤務時間内に受診できる環境を整えていましたが、2022年度は、NECグループとして受診選択肢の拡大等改善が行われ、更に当社では独自に自己負担額3000円をキャッシュバックするキャンペーンを2022~2023年度に実施いたしました。(2023年度は1234名にキャッシュバック)
その他、がん検診受診の各職場での働きかけやがんサバイバーによるがん検診受診促進セミナーの対象者全員受講呼びかけ(受講率約70%)等を行ってきており、2021年度36.3%であったがん検診受診率が2022年度は65.6%、2023年度は79.0%へと大幅に向上いたしました。
治療と仕事の両立支援のため、2020年8月、会社の姿勢や進め方、本人や職場上司の留意事項などをガイドラインとして策定しました。状況に応じて、罹患者本人や職場、ウェルネスプロモーションセンター、人事総務本部が連携しながら個別に就労支援に取り組んでいます。
g. 感染症対策
NECグループでは、感染症に関する相談窓口をウェルネスプロモーションセンターに設置しているほか、予防対策として、季節性インフルエンザの予防接種に関する費用補助を行っています。
近年、30~40代の働く世代に流行している風疹について周囲への感染、特に妊産婦の感染による次世代への影響について情報提供を行うとともに、ワクチン接種の推奨を安全衛生委員会や社内ポータルサイトを用いて行っています。
海外渡航の際は、結核やマラリアなど届出が必要となる感染症をはじめ、現地で日常的に見られる感染症や近年流行の感染症について生活上の注意喚起や予防接種の啓発を行い、赴任前から必要な対策を講じています。また、渡航後の健康管理にも注意を払っています。
8. その他の取り組み
a. 管理職キックオフ
健康推進活動を浸透させるためには、管理職からの職場メンバーへの働きかけや業務調整等が必要であり、管理職は健康推進活動上のキーマンであるとして、2021年度から管理職キックオフを実施しています。実施内容は、以下の2つです。
①産業医による「当社社員の健康状況と管理職へ期待する役割」に関する講話
②健康推進WGリーダーによる「当該年度の健康推進活動についての説明と管理職への協力依頼」
これらを予め収録し、ストリーミング配信によりいつでも視聴できるようにしています。2024年度は82%の管理職が視聴&アンケート回答をしました。
アンケートには「管理職としてメンバーと一緒に健康リテラシーを高め、元気なチームでい続けられるようにしたい」、「グループ内での会議、1on1等を通し健康に関する個々人の意識をあげること、参加型イベントへの参加推奨、参加しやすい環境を作っていきたい」等のコメントが寄せられました。
b. 健康月間
2021年度から5月と11月を健康月間と定めており、健康推進WGリーダーから健康に関するメッセージを発信するとともに、全社ウォーキングイベントと全職場でのイキイキ健康MTG等を実施しています。全社ウォーキングイベントは、「気軽に参加できる」、「歩くモチベーションになる」と大変好評であり、2023年5月は383名が参加。2023年10月には従来の参加者から大幅に増加した648名が参加いたしました。
2024年度は新しく導入したFiNCアプリを使用してウォーキングイベントを実施し、454名が参加いたしました。今後もより多くの社員に参加して貰えるよう、工夫しながら実施して参ります。
また、全職場で健康をテーマとして懇談会を実施する「イキイキ健康MTG」も健康推進活動を浸透させる重要な取り組みとして、工夫改善しながら今後も実施して参ります。
c. 労働安全衛生
当社ではNECグループ労働安全マネジメントシステムを運用しています。
年度初めに全社安全衛生目標を定めた上で、毎月の実施計画を定め、毎月の安全衛生委員会にて進捗状況の確認をしています。
災害報告が上がってきた際には、その内容を安全衛生委員会で報告し水平展開をしています。また、年1回ヒヤリハット事例を募集し、災害の発生を予防する活動を行っています。引き続き、各地区の関係者と連携し、運用の改善に継続的に取り組み、社員が安全・安心に働くことができる環境作りに取り組んで参ります。
当社の社員における労働災害は、外出・出張中における駅の階段でのつまずきや道路での転倒などが主となっています。また、関係機関からの重大な法令違反などの指摘は受けていません。
