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NEC通信システム、竹中工務店などと3次元屋内外位置測位技術(MBS)およびBIMを活用して建設DXに向けた技術実証を実施

日本電気通信システム株式会社

 日本電気通信システム株式会­社(*1、以下NEC通信システム)は株式会­社竹中工務店(*2、以下 竹中工務店)と、株式会­社アルモ(*3)およびMetCom株式会­社(*4、以下 MetCom)の協力のもと、3次元屋内外位置測位(MBS *5)の技術や、建設DXの期待を担うデジタルモデリング技術であるBIM(*6)を活用し、建築現場における作業最適化・効率化に向けた技術実証を本年10月に東京都港区の竹中工務店によるビルディング新築現場において実施しました。

背景

 建設業界では技術者不足が深刻化する中、業界魅力向上への働き方改革と同時に、生産力の確保を見据えた建築生産変革が求められています。生産性向上に向けた最適化や作業者の安全性担保を図るため、作業環境における人・モノの位置や状態を正確・リアルタイムに把握することは長年の間、業界共通の課題として認識されてきました。

 その理由としてGNSS(*7)では屋内・地下においては衛星電波不感地帯となって位置測位が困難であることで、インフラレスでかつ屋内での位置測位可能な方式が求められていました。

 こうした中、202110月から首都圏の一部でパイロットサービスを開始し、本年10月から関東・大阪の一部で商用サービスが開始となったMetComMBS垂直測位サービス「Pinnacle」は、ユーザ端末の気圧センサー情報とMetComが設置した基準点の気圧情報とをクラウドでリアルタイムに比較分析して高さを推計するもので、ユーザ環境へのインフラ設置が要らない屋内外位置測位方法として期待が高まっています。

今後の取り組みについて

 今回の実証では、BIMに含まれるビルディングのデジタルモデル情報を、静的な屋内3次元デジタルマップとして実際の建物の位置(緯度、経度、高度)に合わせて変換・合成し、次に実際に「Pinnacle」によって得られるリアルタイムの高さ情報を元にして自己位置を推定表示するスマートフォンアプリケーションを試作し技術的な確認を行いました。

 これにより、実際の作業現場において建物側に対してインフラレスでの位置測位が十分な精度で実施可能であることが確認できました。また同時に、独自開発中の補正技術のパラメータを検証すると共に、データ通信環境が整っていない状態の対策など、システム化に向けた課題抽出を行いました。

 本実証ではスマートフォンを利用しましたが、今後、気圧測定と通信の機能に絞った小型ハードウェアをモノに貼付してクラウド上から集中管理するシステムの開発を予定しており、そうすることで人のみならずモノの継続的な位置把握も可能になります。

<スマートフォン利用による自己位置推定実証の様子>

<スマートフォン利用による自己位置推定実証の様子>

*顧客情報をマスクするため、画像は加工処理を施しています。
<別の既存ビルでの画面表示イメージ>

<別の既存ビルでの画面表示イメージ>

*緯度、経度の測位は現段階ではGNSS(GPS)を利用しています。

 こうした建築現場における人・モノの位置の把握は、リアル空間のあらゆる情報をデジタル化してサイバー空間に取り込み、シミュレーション等を経て再びリアル空間にフィードバックを行う、デジタルツインの根幹をなす技術として非常に重要なものの一つです。これらの時系列情報やその他の情報と統合することによって実際に状態(コト)についても把握が可能となり、作業者の安全性の担保、作業最適化による生産性向上などへの適用が期待できます。

 NEC通信システムは竹中工務店などと共に、この検証結果をもとに時代に即した安全・安心なサービス提供を通じて建設業界のデジタルトランスフォーメーションを加速し、MBSおよびBIMを活用した新たな社会価値の「共創」により建設DXの促進に貢献していきます。


*1 日本電気通信システム株式会社(NEC通信システム)
  本社:東京都港区、代表取締役 社長 佐藤 崇

*2 株式会社竹中工務店
  本社:大阪府大阪市、取締役 社長 佐々木 正人

*3 株式会社アルモ
  本社:香川県高松市、代表取締役 社長 河田 宣人

*4 MetCom株式会社
  本社:東京都中央区、代表者 平澤 弘樹

*5 MBS: Metropolitan Beacon System
  https://metcom.jp/service/ (MetCom社)

*6 BIM: Building Information Modeling

*7 GNSS: Global Navigation Satellite System
  全球測位衛星システム、いわゆるGPSを含む

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